作るだけでなく、ステンドグラスや教会を見て歩くことも大好きです。2009年にはフランスに9ケ月滞在し、ステンドグラスを学ぶ機会に恵まれました。私が今までに見てきて皆様にもお勧めしたいヨーロッパのステンドグラスをご紹介します。写真をクリックすると、より詳しいblog記事にジャンプします(^^♪

 

 

サント・シャペル(パリ '09 4月)

 

2階にパリで最古のステンドグラスがあり、3分の2が13世紀当時のものと言われています。まるで万華鏡の中に入ったような美しさ!最高裁判所の中にあるので、セキュリティーチェックを通らなくてはなりません。

 

 

モン・サン・ミッシェル(’09年5月、8月)

 

言わずと知れた、フランスを代表する人気観光地。修道院内は具象画のステンドグラスはなく、非常に禁欲的な印象のクリアガラスの幾何学模様の窓が特徴的。豪華な装飾への反発や、像が瞑想の妨げにならないようにとの配慮からと思われます。

 

 

 

シャルトル大聖堂(フランス・'09年7月)

 

内部に入るとかなり暗く、ステンドグラスがよく映えます。こちらのステンドグラスは同時代の大聖堂の中では奇跡的にほぼ無傷で残り、「シャルトル・ブルー」と呼ばれる美しい青色で有名です。この色は現在では再現できないとか…。写真は世界史の教科書などによく出ている「美しき絵ガラスの聖母」。

ロザリオ礼拝堂(フランス・’09年7月)

晩年のマティスが4年の歳月を費やして手掛けた礼拝堂。彼はこの礼拝堂について、こんな言葉を残しています。「陽気さのあふれた教会。人々を幸せにする空間。」残念ながら写真撮影禁止だったので、ステンドグラス紹介と言いながら外観しかお見せできないのがもどかしいですが、入り口にはかわいらしい魚と星のステンドグラス。聖堂のステンドグラスはマティスが選び抜いた色鮮やかなブルー、グリーン、レモンイエローの3色のガラスが用いられ、まるで海の中を漂っているような感覚を覚えます。

 

ランス大聖堂(フランス ’09年8月)

 

ここでは19世紀までフランス王の戴冠式が行われていました。正面中央扉の彫刻の中でもとりわけ有名な「微笑む天使」。内陣中央の小祭室にはシャガールのステンドグラスがあります。近くのサン・レミバジリク聖堂、シャペルフジタもおススメ!

 

 

 

ケルン大聖堂(ドイツ ’09年8月)

 

高さではウルム大聖堂に次いで世界第2位ですが、世界最大のゴシック大聖堂として世界遺産に登録されています。また、非常に珍しい聖遺物「東方三博士」の遺骨を所蔵しています。伝統的なモチーフのステンドグラスも沢山ありますが、その中に混じって2007年に入った、ドイツの現代美術の第一人者、ゲルハルト・リヒターデザインの斬新なモザイク模様のステンドグラスに驚かされます。

ブールジュ大聖堂(フランス ’09年8月

 

シャルトル大聖堂とほぼ同時期に工事が行われ、シャルトル同様世界遺産に登録されています。そして、シャルトルと共に13世紀のステンドグラスが大量に残っている数少ない教会堂の1つでもあります。シャルトル大聖堂のステンドグラスは「シャルトルブルー」と呼ばれる美しい青色で有名ですが、これに対してブールジュのステンドグラスは赤の美しさでよく知られています。シャルトルで働いた同じ職人の手になるものが含まれているそうです。

ロンシャン教会(フランス ’09年9月)

 

近代建築の父と呼ばれるル・コルビュジエ晩年の名作で、正式名称はNotre-Dame du Haut。礼拝堂は小さいながら自然光を効果的に取り入れる造りになっています。この近くのSacré Coeur教会にも素晴らしいダルドヴェールが入っています。

ローザンヌ大聖堂(スイス ’09年11月)

 

かつて模写したパネルのオリジナルを訪ねました。南壁にあるバラ窓のステンドグラスは13世紀のものです。世界の創造主である神の周りに地上と海、空気と火にまつわる様々なテーマ、季節、1年をめぐる月々、黄道十二宮、世界の果ての怪物などが描かれ、中世の世界観を表しているとされています。

 ストラスブール大聖堂、ルーヴル・ノートルダム美術館(フランス ’09年12月)

ストラスブール大聖堂はステンドグラスが4600パネル以上飾られており、12~14世紀に制作されたものが多いです。黄色、緑、青のコントラストが美しい西正面のバラ窓も有名です。また、大聖堂南側にあるルーヴル・ノートルダム美術館には、大聖堂から移された彫像やステンドグラスが数多く展示されています。 中でも「キリストの頭部」は、完全な形で現存するステンドグラスの中では最古のものです。